新聞の今後を考えてみる

新聞の購読者数は大新聞と言えども年々減少を続けています。

 
インターネットは無料ですが、例えばヤフーは毎日新聞夕刊フジと言ったメディアからニュースを月いくらで買っています。しかしその値段は決して高くない。世間一般と比較して決して安くない新聞記者の給料を支払うのには十分なものではありません。ニュースを提供してくれる新聞社そのものがつぶれてしまえば、俺たちは情報を何からも得られないと言う状況になります。ネットメディアの普及によって、逆に情報が入らなくなるかもしれないという矛盾に俺たちは直面しているのです。
 
その結果、ネットに残る情報は何か。言うまでもなく、発信した本人に都合のよい記事ばかり、となります。発表記事、というヤツですね。批判的な記事は競争相手のことを誹謗中傷するかのようなものばかりになり、公正・客観・公共・不偏不党と言う「ジャーナリズムの原点」が失われるのです。その結果、政治を扱うニュースは極端に減ることになるでしょう。誰も情報を提供してくれないし、それを書く人もいなくなるからです。ソーシャルメディアガイドラインを広告代理店が見直すのは当然のことですね。


ジャーナリズムの本場、アメリカでは面白い出来事が起こっています。「NHK海外ネットワーク」という番組で放送していましたが、アメリカでも日本のようにネットメディアが紙媒体メディアを圧迫し、多くの新聞社が事業売却や倒産に追い込まれていますが、これを逆手に取って完全無料でネットメディアや他の新聞社にニュースを提供するNPO法人が現れました。その収入源は何と、資産家の寄付。これには俺も驚きました。


アメリカではジャーナリズムは社会にとって必要なものと受け止められており、ネットメディアによる既存新聞社の経営圧迫は脅威と考えられています。国民の知る権利と言論の自由は何にも増して守らなければならないもの、という民主主義本来の姿ですね。この意識を事業で成功し巨万の富を築いた資産家たちが持っているのがアメリカと言う国の底力を感じさせるところで、よい記事を配信するNPOにはちゃんと寄付をして運営費とさせ、良質なジャーナリズムを守ろうとしているのです。正直言って、発表記事や速報性だけの記事なら明日からでも誰でもできます。しかししっかりと地に足をつけて一つのテーマに深入りしながら取材し、重厚で中身のある記事を書ける記者を育成するには非常に時間もかかるし、金もかかる。しかしそういった記事こそが国民の知る権利に寄与するものであり、それを守らなければならないと言うのが資産家たちの意識なのです。


こういった健全な意識をお金持ちが持っている国は本当に強い。アメリカと言う国は何と言う国だと、この番組を見て感じました。事業に成功して巨万の富を得たら、その富をいろんな形で社会に還元していく。あのビル・ゲイツも「ビル&メリンダ財団」を通じて積極的に慈善事業を展開しています。こういったNPOへの寄付のその一環。欧米にはそういった文化が浸透しているんですね。(日本とは意識が違いますね、外国人から日本人のイメージを聞くと「MAKE MONEY」)


日本には日本のやり方で、健全なジャーナリズムを残す方法があるはず。国民の知る権利を「公正・中立・客観・公共・不偏不党」というなにものにもよらない目線で満たしてくれる、本来ジャーナリズムが持つ姿。それは個人のブログやtwitter、ちゃんとした記事をちゃんと取材して書ける記者たちが担うべきもの。それを失った時、俺たちはどんな世界で生活することになるのか。本当に怖いですね。
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