tigerdriver-91’s blog

東京に来た大阪人がつれづれなるままに書いたブログ

イーロン・マスク 上

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本誌はイーロンマスクの生い立ちから現在に至るまでの内容が書き記されているのですが、上下巻とも分厚く読み応え満点です。

 


翻訳にも癖があるので、読み進めるのも難しい著書です。慣れると読むスピードは速くなると思います。

 


イーロンマスクは幼少期を南アフリカプレトリアで過ごしたのだが、ヨハネスブルク同様治安が悪く、常に犯罪と暴力と闘いながら過ごした日々だった。エンジニアの父親は意地が悪く言葉で虐められた日々。両親は離婚。そんな生活を変えるべく南アフリカを飛び出し、遠縁の親戚がいるカナダに移住。窓に鉄格子がない、バンクーバでの安全を確保した生活。クイーンズ大学で研究の日々。その後スタンフォードに入るも企業。インターネットに魅了され、弟のキンバリと起業。地図と事業者を一致させるシステムを開発し(ZIP2)一気にミリオネアとなる。ただ、開発には相当エネルギッシュで朝から夜中まで働く、一緒に働く社員にも同じレベルを要求する。自分の思ったことはハッキリ言って疲弊する社員も多く、結果、会社を追い出される。

 


その後、クイーンズ大学の同級生と結婚。金融関連のオールインワンの決済システム、Xドットコムを立ち上げる。似たサービスも競合することになるが合併して始めたのが『paypal』である。ただ、エンジニアリングでWindowsベースを好むイーロンマスクと、ソラリスLinuxベースを好むエンジニアと衝突。無理やりWindowsベースに変更。その後詐欺の増加を放置して新婚旅行をしたイーロンマスクに対し、エンジニアはCEO解任を命じられた。また、会社を追い出されることとなる。

 


強引な納期設定、ノーと言わせない。徹底的にやりぬる手法はスティーブ・ジョブスと同じだ。会社を追い出されるのもしかたなしですね。

 


幼少時代から苦しんでいたのが原点ともなり、苦しみが彼を呼び起こすパワーにもなっている。

 


paypalの株で億万長者となったイーロンマスクに興味があるのは火星に人を連れていくことだ。スペースXの立ち上げた。

 


当初はロシアの中古ロケットを買う予定であったが、ロシア人に焚き付けられ、自分でロケット開発を目指すようになる。エンジニアを引き入れ、NASAに商品販売まで行う。なお、NASAは似た商品を入札なしに他社から購入することもやった。NASAとしては、ぽっと出のスペースXより、実績のある会社を選んだのだか、マスクは自由競争を図るNASAが入札もせず購入したことを問題視して裁判を起こす。勝利してNASAはスペースXが強いロケットを購入するハメになる。顧客でもあるNASA相手に裁判できるのはイーロンマスクくらいだろう。

 


スペースXを創業して1年たち、スタンフォード大学セミナーに来ていたイーロンマスクに声をかけたJBストラヴベル。彼はリチウムイオン電池で走らせる電気自動車のアイデアがあったが資金がなく、思い切ってイーロンマスクに声をかけたという。イーロンマスクは社会にインパクトを与えるものとして電気自動車には目をつけていたので1万ドル出資する。JBはまずは電気自動車をカタチにすることから考えたが、イーロンマスクは始めの車は高級車という考え方がありスポーツカーのような車を提案。譲歩しないイーロンマスクに押し切られて、高級車路線で制作が始まる。テスラ・モーターズの始まりだ。

 


最初は1ヶ月に一度来て技術的な打ち合わせをすることを繰り返していたが、この時、スペースXの技術をテスラに、そしてテスラの技術をスペースXに活かすようになっていた。ロケット技術の軽量化と耐久性はコストがかかったが投資は続ける。

 


2008年は最悪の年となる。一人目の妻との離婚(双子と三つ子の子供は5人いる)。

スペースXでのロケット打ち上げは三回分の予算があったが、三回目も失敗。自らの財産も突っ込んでいたので破産寸前。弟のキンバリの資産も突っ込みギリギリの状態だ。民間のロケット成功は水の泡と消えかけていた。テスラ・モーターズも量産体制が厳しく、新規の自動車メーカーが出ないのは当然という風潮と、やっぱり電気自動車はね、という空気を切り裂きたかった。

 


夜中にうなされ、突然叫んだり、嘔吐したりを繰り返した。精神状態は極限まで追い詰められていた。

 


そんな中、投資をしてくれたのが、元paypalのメンバーだ。paypalに関しては非難しなかったこともあり、手を差し伸べてくれた。

 


そして四回目のロケット打ち上げに挑戦。成功した。民間で初めて成功した瞬間だ。NASAの方向性は大きく変わり、NASAに売り込みをかけ16億ドルの契約が完了した。

 


風前の灯であるテスラ・モーターズ。電気自動車の未来を信じて、車購入の予約金を入れたセレブの方々。倒産寸前ということで、なんと予約金に手をつけてしまう。

 


人に辛く当たるし、イタズラに無神経な性格。アスペルガーとも言われた。スティーブ・ジョブスも同じような仕事っぷりだ。違う部分としてスティーブ・ジョブズは概念とソフトウェアさえきっちり押さえておけば良くて、生産は委託していた。イーロンマスクは生産や材料、巨大な工場までなんとかしようとすることだ。あと、プレゼンが上手いジョブズと口下手なマスクという差もある。

 


部下の提案を受け付けなかったが、ダイムラーにバッテリーパックとパワートレインを提供することで投資を獲得し生き残ったのだから、元々はこのアイデアは部下のものだ。マスクの性格はなかなかに難しいものだ。因みにエネルギー庁から4.65億ドルの融資も受けている。融資が始まった2010年から3年かけて1200万ドルの利子をつけて返済している。同じく電気自動車で融資を受けている日産は2017年に返済。フォードは2023時点で返済できていない。

 


2008年出会って2週間で結婚を決めた二人目の奥さん。弟キンバリの勧めで2010年に結婚を発表して結婚式を挙げる。その時にはオバマ大統領がスペースXを視察して、NASAは民間の企業と協力することを発表。伝統的なNASAメンバーは否定的だったか、そこから10年、世界で一番宇宙で成功するのがアメリカである。

 


2010年5月テスラ本社30分のシリコンバレーの外れにあるトヨタ工場を売りに出したのだ。マスクは豊田章男社長をロサンゼルスの自宅に招き、ロードスターに乗せた。資産価値10億ドルと言われた工場を4200万ドルで買うことに成功する。トヨタは5,000万ドルの資本参加もした。工場を買った翌月に、マスクはテスラの株式を公開した。米国自動車メーカーのIPOは、フォードの1956年以来である。テスラは40パーセントも値上がりし、2.66億ドルを調達した。2008年末に倒産寸前だった会社が18ヶ月で米国一話題の新会社となった。

 


その後、Amazonのジョフ・ベゾスとロケット科学でお互い高め合うこととなる。

 


そのころ出てきたAIにイーロンマスクは恐怖を示す。AIが発達し、人間不要論を出し、AIに占領されることを恐れている。Googleのラリーペイジは胃に解しない。そして、AIの会社を買収し、Googleアシスタントを開発。マスクはページにAIを任せるのは危険と判断して、OpenAIを設立。非営利の人工知能研究所である

。2022年にChatGTPを発表した会社だ。マスクは人の考え方の拡張をするのがAIの役割と考え、脳科学の会社ニューロリンクも立ち上げている。

 


AIには勉強させるだけで、意志を解させない考え方だ。それにはデータが必要だ。そこで目をつけたのがTwitterだ。2023年、1日5億件の人間の投稿を処理している。

 


人工知能の研究をする一環で車が自立走行出来ないかと考え始めた。脳科学や環境の最適化も考え、2016年には従兄弟に投資していたソーラーパネルの会社も買収。最初、従兄弟が企業を考えた際、太陽光発電は世界の環境を変えることでマスクも注目し、2004年から投資を始めた。ソーラーパネルのシェアを取るため、営業に歩合制を導入して、営業力を強化してシェアの1/4まで獲得した。ただし、赤字も膨らんだ。マスクの言うソーラーパネルの普及に力を入れた従兄弟たちだが、マスクは営業もマーケティングも信じておらず、良い商品なら自然に売れると考えていた。ソーラーパネルはテスラが買収し、ソーラーホームを作成。この家のエネルギーは全て太陽光電池であり自然に優しい事業を展開することを告知する。ただ、マスクの考え方についていけなかった従兄弟二人は2016年に退職する。

 


2018年には、テスラは週5,000台のモデル3の生産目標達成をし、スペースXも56回の打ち上げに成功した。(失敗はわずかに1回)

 


ただ、2016-2017年は、女優との恋愛や破局を繰り返したり、父親と仲をとり持つ南アフリカ訪問をするか、連れて行った義理の娘を妊娠させるなど、最後まで父親と仲を取り戻すことができず、週5000台達成に血眼になり、2008年以上に精神的に打ちひしがれていた。スピーチを依頼するも30分起き上がれないくらいの心境になっていた。

 


この頃のマスクは週120時間労働で2001年以来、1週間以上の休暇をとっていない。マスクは笑いと涙を行ったり来たりしていた。2018年は長くいた幹部が次々に去っていったのも拍車をかける。テスラを一緒に立ち上げたJBストハウベルも去った。

 


テスラ中国は2015年から始まるも、うまくいかなかった。大学時代の研究仲間であるロビン・レンと会い、中国の副首相に会うことに同席させた。中国側はジョイベンを希望。マスクはジョイベンは支配権を取り合うから嫌いなので、レンに入社を勧め合意を得る。レンは2019年10月に現地生産テスラがロールアウトし、2年後にはテスラの半分以上が中国製になる。そしてテスラは小型トラックの作成もはじめる。

 


ここまで51章、462ページ。読むのにすごく時間がかかります。さて、さて、時間があれば「下」を読もうと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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