tigerdriver-91’s blog

東京に来た大阪人がつれづれなるままに書いたブログ

サピエンス全史 下

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上巻では虚構によって、ホモ・サピエンス食物連鎖の頂点に立ち、協力することの大切さを知り、集団で過ごし、道具を開発して農業や文字・貨幣を開発し、国家を作り信じることができる宗教も確立しました。

 


因みに虚構とは、実際にはない作り上げたもの、という意味です。

 


本誌では、人類の発展は虚構が大きく影響していると書かれています。下巻ではキリスト教などの統一真誕生から書かれています。

 

 

 

一神教キリスト教イスラム教のように絶対神を信仰する。一神教だけでなく多神教も存在し、様々なものに神が宿っていると考えられてた時代があった。多神教には二元論という、いわゆる正義と悪の存在を作った。一神教では悪の存在が証明しにくく、この二元論が一時期世界を席巻した。宗教による戦争も多く行われて、結果的に一神教が残る結果となるのだか、二元論の影響は大きくキリスト教に悪魔の存在も認知されるようになった。

 


インドではゴータマ・シッダールダという人物が元々はヒマラヤにある小国の王子であったが、29歳で財産も家庭も投げ捨てて、1人放浪の旅に出て、瞑想を体得する。彼は弟子たちに、殺生や邪淫、窃盗を避けるように教えた。こうした行為は必ず渇愛の火を掻き立てるからだ。渇愛の火を完全に消してしまえば、それに代わって完全な満足と平穏の状態が訪れる。それが涅槃だ。ゴータマはいずれ仏陀と呼ばれるようになる。仏陀とは悟りを開いた人を指す。

 


民主主義や共産主義も秩序の信奉に基づく人間の模範と価値観を体形立てたもので、コレは仏教と同じである。仏教は神を信仰せず、苦労を消すこと、渇愛の火を消すこと、悟りを開くことであり、神を信じることではないが宗教にジャンル分けされているからだ。

 


人間至上主義の宗教

自由主義的な人間至上主義

人間性は個人的なもので、ホモ・サピエンスの各個人の中に宿っている。至高の戒律はホモ・サピエンスの各個人の内なる核と自由を守ることである。

社会主義的な人間至上主義

人間性は集合的なもので、ホモ・サピエンスという種全体の中で宿っている。至高の戒律は、ホモ・サピエンスという種の中での平等を守ることである。

・進化論的な人間至上主義

人間性は変わりやすい、種の特性だ。人類は人間

以下の存在に退化することも、超人に進化することもありうる。至高の戒律は、人間以下の存在に退化しないように人類を守り、超人への進化を促すことである。

 


・科学革命

科学革命の好例として雷がある。多くの文化では、稲妻は罪人を罰するために使われる、怒れる神の鉄槌だと信じられてきた。十八世紀半ば、ベンジャミン・フランクリンは雷雨の時に凧を上げ、稲妻はただの電流に過ぎないという仮説を試したのだ。フランクリンは、この時の経験的観察結果と電気エネルギーの特性についての知識を組み合わせて、避雷針を発明して神々の武装を解除することができた。

 


ギルガメッシュプロジェクト

古代シュメールのギルガメッシュ神話にある、ウルクの王ギルガメッシュが親友を亡くし、しばらく親友のそばを離れなかった。数日経つと友の鼻から蛆虫が一匹落ちるのを目にする。恐怖したギルガメッシュは自分は絶対死ぬまいと決意する。世界の果てまで旅をするも死の恐怖は克服できなかったが、神々が人間を作った時、避けようのない人間の宿命として死を定めたのであり、人間はそこで生きていかなければならないと学ぶ。

 


大航海時代と科学

水夫は長い航海をすると病気で亡くなることが多かった。医者は病気の理由を突き止めることができなかったが、柑橘系の食品を水夫に食べさせたことで病気は一気に起こらなくなった。当時の水夫はビスケットやビーフジャーキーしか食べていなかったので、栄養バランスに問題を抱えていたからだ。その後、水夫の食事にこれが取り入れられ水夫の死亡者が圧倒的に減った。それ以降、航海には科学者が乗船することが多くなり、航海は貿易よりも新たな土地の研究に当てられることがおおくなった。

コロンブスがスペインを出てアメリカ大陸を発見した時、コロンブスバハマ諸島をインドと思っていた。完全に東アジアの諸島に住んだと信じたのだ。それは宗教の影響で宗教ではヨーロッパ、アフリカ、アジアしかないものと考えられていた。コロンブスは死ぬまでインドに着いたと思っていた。

その後、アメリカ大陸の調査は続き、地層学の学者に調べさせる依頼をしたが全て断られ、ケンブリッジ大学で牧師になるべく勉強していた22歳のダーウィンに声をかけられた。ダーウィンは聖書よりも地質学や自然科学にはるかに興味を持っていたので航海に同行した。そして、それからのことはみなさんご存知の通りだ。

イタリア人航海者のアメリゴ・ヴェスプッチが1499年から1504年にかけて探索したアメリカ大陸の書簡がヨーロッパで発売された。彼は東インドではなく「私たちにはわからない土地」と伝えた。その描かれた地図は大変人気を博し、世界の陸地面積の1/4を占める土地に名前が必要となり、アメリゴの栄誉を讃えてアメリカと名付けられた。

 


1969年7月20日ニール・アームストロングとバズ・オルドリンは月面着陸に成功した。アメリカ西部にある環境が月に似た辺境の砂漠で訓練を受けた。その地域には、昔からいくつかのアメリカ先住民のコミュニティがあり、訓練生たちは先住民の老人と会う。訓練生は月探索があると伝えると老人は言う「うん、我らの部族の者は月には精霊が住むと信じている。私からのメッセージを伝えてもらえないだろうか」と老人は言った。老人は部族の言葉で何かを言い、宇宙飛行士は正確に暗記するまで何度も繰り返させた。「どう言う意味があるのですか?」「ああ、それは言えないな。私らと部族と月の精霊だけが知ることを許された秘密だから」その後、基地に戻り部族の言葉がわかる人を見つけて意味を教えてもらった。彼はひとしきり笑って意味を伝えてくれた「この者たちの言うことは一言も信じてはいけませんよ。あなた方の土地を盗むためにやってきたのです」

 


アメリカ大陸はその後スペインが中央アメリカのアステカ族を滅ぼし、インカ族も滅ぼし領土を拡大した。グローバルの視点に立ったスペインがアメリカ大陸を制したが、オスマントルコ、ペルシア、インド、中国がようやくグローバルの視点を持って注意を向け始めた時にはもうおそかった。二十世紀になって、ヨーロッパ以外の文化にもグローバルな視点が取り入れられた。アルジェリア独立戦争アルジェリア人ゲリラは、兵士の数や技術では圧倒的に上のフランスを打ち破った。それは、反植民地主義の世界的ネットワークに支えられており、世界のマスメディアがフランス自体の世論を首尾よく自らの主張の味方につけたからだ。北ベトナムという小さな国がアメリカという巨人を敗北やぶったのも同様の戦略だ。

 


・資本主義

帝国を建設するのに必要なのは「お金」だ。資本主義の発展として銀行は欠かせない。例えば新しいベーカリーを開く場合、銀行からお金を借りて店舗を開き、ケーキを焼いてローンを返済する。将来を信頼して建設業者に支払い、さらに新しいベーカリーを開く。この繰り返しだ。

 


1776年スコットランド生まれのアダムスミスが出版した国富論では、地主にせよ、あるいは織工、靴職人にせよ、家族を養うために必要な分を超える利益を得たものは、そのお金を使って前より多くの下働きの使用人や職人を雇い、利益をさらに増やそうとする。利益が増えるほど、雇える人数も増える。したがって、個人起業家の利益が増すことが、全体の富の増加と繁栄の基本であるということになる。スミスは人々に、経済は双方のためになる状況として考えるように説いた。

 


スペインは軍事力が強かったが資金繰りに強制力があり市民を苦しめたが、オランダは自らの兵は雇わず、資金で兵を雇い戦果が出れば期限内に資金を支払う、ヨーロッパでも信頼され、それが信用に変わり戦果で利益を上げ続けた。スペイン王は投資家の資産を食い潰し、戦いには強いが経済力が弱っていった。オランダ東インド会社(VOC)はインドネシアまで統治に成功し、200年企業が統治をすることになった。1800年になって初めてオランダ政府がオランダの統治に変えたが、それまでは企業が国を統治していた。今は国よりも企業が強い場合もあるので、歴史を考えると怖い状況でもある。因みにオランダ西インド会社(WIC)はアメリカを統治しようとし、河口の島をニューアムステルダムとしたが、先住民の猛攻に遭い、イギリズ人からも猛攻を受け1664年に撤退することとなった。イギリスはその後、マンハッタン島にあったニューアムステルダムをニューヨークと呼んだ。WICが先住民とイギリス軍の猛攻に耐えるために作った壁(ウォール)は現在のウォール街の塗装の下に残っている。17世紀が終わる頃、オランダも帝国主義的支配の原動力を失い、フランスもイギリスが次の覇権を争った。

ただフランスは資本主義で言うところはミシシッピバブルで歴史上屈指の派手な金融破綻を起こした。ミシシッピ川下流域の植民地化に着手し、ニューオリンズという都市を建設した。ミシシッピ会社はルイ15世のつてで上場し、途方もない富と無限の機会があると見せて急速に株が上がった。だかミシシッピ川下は湿地とワニしかおらず、投資家が手を引き一気に株価が暴落。察知した大手投資家は高く売り抜け、結果株が紙切れ同然となった。小口の投資家たちは全てを失った。コレも含めてフランス革命が始まった。そして大英帝国は急速に拡大した。

イギリスは中国にアヘンを売り大儲けした。厖大な数の中国人が中毒となり中国政府がアヘンの取引禁止をした。イギリスのアヘン商人はそれを無視して販売する。中国政府は船で運ばれてくるアヘンを没収した。アヘンカルテルは国会議員と政府官僚とつてがあり、製薬会社の株を持っていた。そのため政府に圧力をかけた。

イギリスは自由貿易という大義名分で1840年アヘン戦争を仕掛け勝利。中国に対しアヘン商人の活動を制止しないこと、賠償請求と香港を統治し安全な麻薬取引基地として利用した。

オスマン帝国から独立したいギリシャに目をつけたロンドンの資本家は、ギリシャ独立債を発行して勝利すればギリシャは利益を返すという。オスマン帝国が優勢になった時、イギリスは多国籍艦隊を組織して1827年のナヴァリノ海戦でオスマン帝国を撃破し、ギリシャは自由になった。だが、新生国家にはとても償還できないほどの巨額の債務がついてきた。ギリシャ政府は何十年もイギリスの債権者に担保を取られていた。

 


・産業と科学の発展の末

狩猟をしていたホモ・サピエンスと現代の人間はどちらが幸せなのだろうか。昔の人は小さな家が完成しただけで家族みんなで喜び、安住の宿が獲れる幸せを感じたのと、ボーナスをもらった時の幸せはどちらが上か?病気で死んでいった人は昔の方が多いが、今は医療で治せる。生まれた子供のことを考えるとどちらが幸せなのか?

幸せの尺度は測れないが、全てはホルモンが電気信号をどれだけ感じるかだけであり、一定の幸せを感じてもまた元通りに戻るのだ。そうしないと、ずっと同じことばかりやってしまうからだ。

 


人類の科学は自然界では発生しないことを生み出した。太った鶏のオスとメスを交配させて太った子供を生ませるのは、まだ自然の摂理に適っているが、発光クラゲのDNAを取り出してウサギに移植して発酵するウサギを作ったのは自然の摂理では絶対にできないからだ。

 

 

 

 

 

 

 


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