tigerdriver-91’s blog

東京に来た大阪人がつれづれなるままに書いたブログ

サピエンス全史 上

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アフリカで細々と暮らしていたホモ・サピエンスが、食物連鎖の頂点に立ち、文明を築いたのは何故か?その答えを解く鍵は「虚構」にある。我々が当たり前のように信じている国家や国民、企業や法律、さらには人権や平等といった考えまでもが虚構であり、虚構こそが見知らぬ人同士が協力することを可能にしたのだ。やがて人類は農耕を始めたが、農業革命は狩猟採集社会よりも過酷な生活を人類に強いた、最強の詐欺だった。そして歴史は統一へと向かう。その原動力の一つが、究極の虚構であり、最も効率的な相互関係の制度である貨幣だった。

 


本誌はどのように人類が作られてきたかを語った本です。上下巻に分かれていますが、まずは上巻から解説したいと思います。

 


45億年前に地球が誕生し、38億年前に生命(有機体)が出現する。250万年前にアフリカでヒトが進化する。(石器が発見される)

50万年前にヨーロッパと中東でネアンデルタール人が進化。30万年前に火が日常的に使われるようになり、20万年前に東アフリカでホモ・サピエンスが進化する。

 


この20万年前がポイントで、ホモ・サピエンスは火を使うことにより、小麦やじゃがいもなど火を使うことで食べるものが増えて、肉などについた菌を殺すことが出来たことにより、食べ物の消化が早くなり、胃袋や腸を短くすることが出来た。チンパンジーは肉を消化するのに5時間も噛み続けていた。脳が大きいホモ・サピエンスは脳に対して消費するエネルギーも必要であったが、火を使って消化を短くする知恵を手に入れた。

 


7万年前になると、複雑な言語を使うようになる。ヒトは「ライオンが来たー」とか「ワニが来たー」とか声を発することで認知しているが、それは動物も同じで、鳴き声で群れは何の脅威が迫っているかを伝える習性がある。その声を録音して、平和な集落にその声を聞かせると、動物はたちまち今の作業をやめて逃げることを行うからだ。ただ、7万年前のホモ・サピエンスは、それ以外に「噂話」までするようになった。「噂話」とは、誰かのことが好き、とか、誰かは失敗ばかり、などのゴシップを話すようになった。ずるをする人について社会に知らせ、それによって社会をそうした輩から守るジャーナリストが誕生する。コレを認知革命と呼び、虚構、すなわち架空の事物について語る能力を手にしたのがホモ・サピエンスの言語の特徴だ。

 


虚構は近代国家にせよ、中世の教会組織にせよ、古代の都市にせよ、太鼓の部族にせよ、人間の大規模な協力体制は何であれ、人々の集合的想像の中にのみ存在する共通の神話に根ざしている。教会組織は共通の宗教的神話に根ざしている。カトリック教徒が、互いに面識が無くとも一緒に信仰復興運動に乗り出したり、共通に病院に出資するなど、人々が創作して語り合う物語の外に存在するものは一つもないが、信じるものを作り、それによって社会秩序を強固にしていった。そのような虚構を作ることで多くのヒトを束ねていったのがホモ・サピエンスであり、他の動物と異なるところだ。

 


コレこそがサピエンスの成功のカギだった。一対一で喧嘩をしたら、体格も脳も大きいネアンデルタール人に打ち負かされていただろう。だが、何百人の争いになったら、ネアンデルタール人は、全く勝ち目はないだろう。狩猟の技術もネアンデルタール人は単独か小さな集団で行うが、ホモ・サピエンスは何十人もの協力をし、何トンの肉と脂をと皮を収穫し、宴会を開いたり食料を乾燥させたり燻製にしたり凍らせたりした。ネアンデルタール人は自分たちの昔ながらの狩場がホモ・サピエンスの支配する狩場に占領され、大きな衝突が起きたとしても、ネアンデルタール人は野生の馬と大して変わらず勝ち目がなかった。たとえ初戦は落としたとしても、ホモ・サピエンスは新しい戦略を編み出し、次の戦いに勝利した。東アフリカのホモ・サピエンスはヨーロッパのネアンデルタール人を制覇したのは、戦いに勝ったからと言われている。(もしくは、ホモ・サピエンスネアンデルタール人が交雑した説もあるが詳細は不明)。

 


その後、農業革命が起き、農業に従事する民族も生まれた。(農業革命の前にネアンデルタール人は絶滅した)農業を行うと、その土地に永続的に住むために栄養は小麦、じゃがいも、稲といった単一の作物に由来したため、古代の狩猟採集型と比べると、朝はベリーやキノコを食べ、昼には果物やカタツムリ、カメを食べ、夜にはウサギを焼いて食べた。狩猟採集型は、最低限の荷物を持ち毎月、毎週、毎日のように行動範囲を広げていったことにより全世界の大陸にいるのだが、農業革命によって栄養は偏り、農耕生活で家畜を飼うことで天然痘や麻疹などの感染症にもかかったと言われる。農耕は人口が密集した不潔な永続的定住地とも言える。一方、狩猟採集民族は小さな集団で動き回っていたので、感染症は蔓延のしようがなかった。

 


農業革命はコレだける苦しいのに人は何故農業に打ち込んだのか?穀物が不作に終わると飢えに苦しむことがわかっている。でも、狩猟採集民族と異なるのは、1,000人以上の単位で村を作ることができるからだ。豊作になると、来年以降の蓄えとして使えるし、家畜を保存食がわりに育てることが出来るので大量のエネルギーを保存することが出来るからだ。田植えも畑もタネの植え方を研究し(耕してから浅く植えるか深く植えるか、水や肥料はどうするか等)家畜も、牛や馬やニワトリ、ヤギやヒツジまで活用していた。最も古くから人間と関係の深い生き物は犬であり、餌を供給して番犬から羊を追ったりと万能な生き物として使われてきた。遺伝子的にヒトとイヌが共存する深い関係なのは当然のことだ。

 


ヒトが多い集団は遺伝子の数も多く、より強い遺伝子を残せるようになった。狩猟採集民族は圧倒的多数から減少傾向となった。

 


因みに全く遺伝子系統が異なるネアンデルタール人の遺伝子を我々ヒトは少しだけ含んでおり、ホモ・サピエンスネアンデルタール人は全く別の発展を遂げたと考えられたが、交雑をしていたのではないかとも言われている。単独や少人数を好むのがネアンデルタール人だが、まれにホモ・サピエンスに加わって生活をしたものもいるのかもしれないと言われている。

 


遺伝子で勝利したホモ・サピエンスの農業革命は東アフリカから、ネアンデルタール人のいるヨーロッパに広がり、アジア、ロシアとアラスカは地続きだったのでアメリカ大陸にも移住し、当時浅瀬だったオーストラリアにも移住したと言われるが、船を作って移住した説もある。

 


定住する農業革命と狩猟採集民族の間で全世界にホモ・サピエンスが広がっていったようです。

 


農業革命は巨大な村を作り、長の存在も出現。虚構による信仰心も広がり、多くのものを束ねていったという。

 


例えばバビロニア帝国のハムラビ法典など、種を残すものとして重要な文献である。

→目には目を歯には歯を、みたいなやったらやり返す、という,イメージが強いですが、実際の内容は、他人の女性を流産させたら罰則、殺してしまったら、あなたの娘も殺す、と言った種を守ることを原点に書かれたみたいです。

 


虚構は宗教や主義を生み出し、キリスト教や民主主義、資本主義といった想像上の秩序がすり込まれるようになった。その秩序が想像上のモノだとは、けっして認めてはならない。そこには三つの主要な要因がある。

 


・想像上の秩序は物質的世界に埋め込まれている

・想像上の秩序は私たちの欲望を形作る

・想像上の秩序は共同主観的である

 

 

 

ピラミッドを建てること、旅行でバカンスを過ごすこと、個性を主張すること、皆んなが信じているモノやコト。結局は全て想像上の秩序であるということだ。

 


紀元前3400〜3000年ごろに行政文書が発見された。そのころは話し言葉が中心で不完全な書記体系であった。3000〜2500年にかけてメソポタミア人がくさび形文字と呼ばれる完全な書記体系へと変わっていった。仏教などは口伝されるものに対し、税の処理などは不完全な文字から始まり、人類の発展に伴い完成されていった。

 


その後貨幣が誕生し、階級も誕生した。インドのカースト制は異なるカーストとの結婚は行われず、職業によってカーストが作られた。そのカーストで生まれた子は生まれながらそのカーストとなった。カーストに入れなかった人々は、カースト外として街の外れで生活するしか無いことを余儀なくされた。欧米では奴隷制度、肌の色などの差別が行われた。なお、現在もインドではカースト制度が根深く残っており、別のカーストと結婚しない現状もある。

 


農業革命以降、女性よりも男性が優れているという考え方が広がり、中国では女性は男性の持ち物という考え方も行われた。男性優位は筋力だけでなく攻撃性も考えられる。戦争を起こすのは男性であるように一般社会の支配権を利用し、戦争を重ねるごとに支配権を強固にしていった。

 


貨幣が登場したのは紀元前3000年ごろで「大麦貨幣」だ。大麦をベースに物を交換することから始まった。大麦の量によって獲れるものが異なったのだが、大麦は運搬も保存も難しかった。そこでメソポタミアで出現した銀のシェケルという貨幣だ。最初は硬貨ではなく重さが単位だった。大麦では出来なかった中央金庫に運び、派遣している軍隊に給与として払うことが可能となった。史上初の硬貨は、アナトリア西部のリュディアの王アリュアッテスが紀元前640年ごろに造った。人々は貨幣に頼って、見知らぬ人との協力を促進するが、同時に、貨幣が人間の価値や親密な関係を損なうことを恐れた。

 


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