tigerdriver-91’s blog

東京に来た大阪人がつれづれなるままに書いたブログ

クラクションを鳴らせ

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ビッグモーターでナンバーワン営業だった著者が、 事件後に発売された著書です。

 


本誌は本来自動車業界向けのビジネス書として出版される予定でし たが、事件を受け、 著者がビッグモーターで営業していた問題点にもフォーカスし、 業界として繰り返してはいけないことを指摘しています。 まさにクラクションを鳴らせ!ですね。

 


営業の本質にも触れたリアルな図書なので、 B2C営業の醍醐味も含め、 面白いなと思ったことを取り上げますね。

 


・営業は「お客様の人生を想像し、充実させること」

商談の主役は100%お客様で、 課題解決をするために選択肢を増やすこと。 それなのに質問攻めする営業は、お客様にとって地獄の時間。 テンションを下げるだけ。 提案の幅を広げお客様の選択肢を増やすことが営業の価値。 お客様が購入した時に豊かな生活になることを想像すること。

→筆者がことあるごとに伝えているのは、タイムセールや○○ 無料とかの小手先の施策でなく、 お客様の生活が豊かにかることを徹底して考えていることだ。 著者の本質がここにあり、 その上で以下の手法があるという感じです。

 

 

 

・営業は個人SNSで情報発信すると売れる

ビッグモーターをはじめ、昔は圧倒的な資金を投入し、 タレントを起用したTVCMや折込チラシで信用を勝ち取っていた 。だが、今の若者はTVを見ないしチラシも見ない。 損得ない個人のSNS発信を見る。 SNSを現在の覇者は使えない。動きが遅い。 僕は今作った会社で忖度なしのコメントや情報発信をして「個」 が確立され、フォロワーから信頼され、 応援されてセールスにつながっている。 機動力を持って戦いに挑めば勝機がある。

→小手先ではない、今に即した戦略ですね。 今は食べログという総合値の評価より、 フォロワーが多い個人の発信の方が信用される時代ですね。

 


メラビアンの法則

第一印象は3秒で決まる。

話す内容 7%

声 38%

見た目 55%

話す内容やセリフの情報量や質でなく、 見た目と声でほぼ全てが決まる。

→人は見た目が9割という本もあるように、 いかに見た目を良くするかは重要ですね。 営業なので第一印象は超重要。第一印象は一度きり。

 


・商談は順番が9割

順番を制するものが、トップセールスになる。 初対面で安心感を与え( 明るく自信がありそうでプロフェッショナルに見える)、 信用を勝ち得るためにお客様のリズムで話したいことを話してもら い、共感しまくること。 他の店を見るか見ないかを確認しながら自分の店のメリット、 デメリットを伝え、多くの車を見せて欲しい一台に導く。

→上記、著者が言いたいことをサマりましたが、 共通のして言えることは、 お客様を主役にして必要なタイミングで必要な情報を出すことと、 お客様に選択権を与えることと思いました。 確かに車を買う時に多くの選択肢がある中で一台の車に絞っていく 過程って大事だと思います。

 

 

 

・クロージング

あのスペーシア、別の担当が商談中かもしれないので、 一度在庫状況を確認しておきますね。と言う。 お客様が苦労して探し当てた一台だ。 在庫は売れていなかったので安心くださいと言って、 お客様がほっとすれば、端数のある見積もりを提あ出。 上司に相談するので試乗していただき、 車に乗って将来の生活を想像するお客様。 戻ってき時に端数を切った見積もりによって契約する。

→よく、1番大切なのはクロージングという人が多いですよね。 最後に逃げられた、とか、詰めが甘いとかいうことが多いですが、 クロージングの前までに既に勝負が決まっているんだけど、 相手の欲しい気持ちを促進するだけで良いのだと思いました。 チャプター1の営業スキルは地味だけど大切なことが細かく書いて いるので、B2C営業は、 是非読んだ方が圧倒的に良いと思いました。

 


・マネジメントについて

人を管理することではなく、 利益を上げるための機能ということだ。やりがいのある目標設定、 貢献意識を持たせるためのフィードバック、 トップセールスまでの道のりをイメージさせ続ける。

→上記のようにまとめたが、 本誌で書かれていることはすごく刺激的で情熱的な内容です。 ベテランが新人に業務を押し付けるので、 それをさせないようガムテープで受話器をぐるぐる巻きにした話や 、 二ヶ月間不眠不休で肉体的精神的に追い込まれたからこそのメソッ ドは内容が濃く、実はシンプルにまとめることができません。 これは本誌で著者の熱量を感じ取っていただいた方が良いと思いま す。

 


→上記店長のマネジメントから、 大型店舗のマネジメントには無駄なことを省くなどの仕組みによる 効率化、 営業本部に配属され複数店舗のマネジメントには仕組みの横展開、 嫉妬による嫌がらせなど、 経験談を交えての話は非常に面白いので、興味のある方は本誌参照

 


ハナテン中古車センターの再建は感動した。 とてもまとめることができない。 1人孤独に戦った男の生き様を読むことができます。

 


・ビッグモーターについて

退職後に兼重社長のご子息が実権を完全に握り、 営業本部のメンバーを入れ替え、現場に利益至上主義を徹底させ、 成績が出ない店長は即更迭を加速させた。 兼重社長の頃も利益至上主義で成績が出ない人には容赦なく人事権 を発動していたが、顧客第一主義で、 現場の店舗に行って社員に発破をかけていた。 その顧客第一主義が社員の心の支えになっていたが、 今はそれがない。 ただの利益至上主義でプレッシャーも今までより強くなった。 不正を犯す人は起きても仕方がない状況だった。

→著者が辞めたことで、 最後のバランスが崩れたんだなあと思いました。 本体価格を下げてオプション売りの強制が常習化し、 業界がどんどん悪に染まっていったんですね。

 


→本誌は過激なビジネス書です。 店舗営業の大変さを感じることができる一冊です。 クルマ屋以外の店舗で仕事をしている人には非常に参考になり、 胸が熱くなる一冊です。