tigerdriver-91’s blog

東京に来た大阪人がつれづれなるままに書いたブログ

異端者の快楽

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幻冬舎の創業者である見城徹の異端を語っている本です。 原点は苦しみがある見城徹。 イーロンマスクに似ていると思います。同じ異端かもしれません。

 


まず最初に言っておくと、正直、かなり男性的な表現が多いので、 女性には全く進めることができない一冊となります。

 


なので、そう言った表現を除いても、異端である。

誰もが無理だ無謀だと言うことに1人熱狂し仕事をする。 ビジネスだと割り切って付き合えば大きな売上に繋がるような相手 でも、真正面から「お前のここが嫌いなんだ」と言ってしまう。 正直で不器用。己の異端性と求められる社会に揺れながら、 最終的に個体としての生き方を選ぶ。

 


傷つき、リスクを抱え、七転八倒し、 狂気の中で闇を切り裂くことが、全てを収穫できる瞬間。

 


角川書店では、 角川と仕事をしないと言う作家だけに手紙を書き続け、 その作家の本50冊を全部読み、 本人が気づいていない感想を書くことを心がけて、 17通目で返事が来る。 

その時には何冊も読んでいるので、 その人のことは相当詳しくなっている。 つかこうへいと15年独占契約をし、蒲田行進曲直木賞石原慎太郎の前で短編を暗唱し、 何度も何度も断られてもやり続けた。

そして41歳で取締役になるも、 角川春樹が去るタイミングで退社。

幻冬舎設立時に出した最初の6冊。朝日新聞に3, 600万円かけて広告を出した。 郷ひろみのダディは売れに売れた。 郷ひろみは英会話やゴルフの本を出したいと言ったが、 無視をし続けた。 誰も離婚するとは思っていない国民的カップルが離婚するのを単行 本でスクープする。初回50万部を刷る大勝負に勝った。 いつもギリギリの勝負をする。

松任谷由実のコンサートに何回も行き、少しずつ関係を作り、 唯一の図書「ルージュの伝言」を出す。 ただ出版直前にNGが出る。 自分の人生を曝け出すことで音楽が死んでしまうと。 正論と思ったが、後には引けないので粘る,粘る。 ユーミンはいつも「私はどんなに売れても、 アルバムの枚数では中島みゆきさんに勝てない」と。 出すからには売ることを決意し、結果150万部を売り上げ、 中島みゆき以上に本は売れた。「わたしはどうあがいても、 みゆきに勝てなかった。自分に言い訳するように結婚した」と。 そして今は中島みゆきを超えた。ただ、 プロデューサーである夫の松任谷正隆は許していない。 今もあっても無視される。と。そして尾崎豊。 19歳の尾崎豊を説得して独占で本を出版する「 誰かのクラクション」は大ヒットした。 そしてアメリカで麻薬中毒となり日本に帰ってきて復活を願う尾崎 豊に「沈黙の彼方」を出版。 大ヒットでアーティストとしても復活した。

 


さだまさし石原慎太郎鈴木光司、中舘牧子、 熊谷正寿などなど。 名だたる有名人と対談をしているのも読んでいて刺激になります。

 


10万部のヒットを出せた人は何度も10万部を出せる。 30万部を出せれば、何度も出せる。ベストセラーを出すと、 確実に何かが経験として蓄積される。具体的に言うと、 オリジナリティがあること、明快であること、極端であること、 癒着があること。売れるコンテンツの必須条件がこのら4つ。 それを実行するためには圧倒的な努力が必要で、 特に癒着に関しては、書いて欲しい作家に対して、 徹底的に向き合うこと。 上記の松任谷由実尾崎豊のように徹底してやること。

 


尾崎豊に関しては、 沈黙の彼方を出版するにあたり大変な苦労があった。 極端にワガママだった尾崎豊は、 誰かのクラクションを出版してしばらくしたら、 見城徹には報告せず渡米。麻薬中毒で日本に帰り、 日本でもレコード会社とトラブル。 再度麻薬で全ての契約が解除される。 偶然スポーツジムで尾崎豊と出会った見城徹尾崎豊から声をかけ られて「復活したい」と。見城徹はこの頃、月刊「カドカワ」 の編集長で、アーティストから出版依頼が殺到する人気者。 副編集長に任せれば、自分は好き勝手できる立場。ただ、 その現状に甘えを覚えた見城徹は、尾崎豊に対して、 会社の許可なく勝手に活動する。 尾崎豊の事務所を立ち上げ執筆をさせ、再度曲も書かせる。 ワガママな尾崎豊は執筆を進めない。ケツを叩いて、 言い争い疲弊しながら「沈黙の彼方」が発売。 アルバムはオリコン一位となり尾崎豊と涙し抱き合って喜ぶ。 その後、月刊カドカワにコラムを書いてもらう。 次の執筆も依頼する。 尾崎豊は全国コンサートの同行を全て依頼し、 いけない場合は執拗に責めてくる。結局、何冊か出版し、 コラムも終了して。尾崎豊との関係を終了する。 独占欲が強すぎる尾崎豊は破滅へと向かう。「 自分だけを愛してくれ」が尾崎豊。 人間不信へと落ちていた尾崎豊。 なので復活できた見城徹を信頼して過剰な反応もしていたのではな いか。

→ 異端な尾崎豊のような人との付き合いは難しいコトを教わりました 。異端だからこそ、あのような曲を発売できたし、 人の心を動かしたし、見城徹も出版させたいと思っただろう。 見城徹も著書で言ってたが、 オリコン一位になったタイミングで付き合いを終了すればよかった と語っている。編集者として、編集長として、 一個人の感情として、自分もその立場になった時、 そんな冷静な判断が下せるか難しいところですね。でも、 勉強になります。

 


角川春樹のこともありながら角川出版を取締役のまま退社した見城 徹。立場や現状に満足せず、 常にゼロリセットを考えていた見城徹。 もともと角川の看板を使わないスタンスは、常にゼロから始める、 苦しいコトをバネにして成功するイーロンマスクのような人なんだ と思います。

 


※上記以外に本誌には様々なトピックスが満載です。

 


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