tigerdriver-91’s blog

東京に来た大阪人がつれづれなるままに書いたブログ

電通マンぼろぼろ日記

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バブル末期に電通に入社、30年営業職で働いた電通の裏側を書いた話。

 


・某大物政治家(本誌にほぼ答えとなる表現がある)の息子が縁故入社して営業に配属。最初のクライアント訪問で、クライアントのテーブルにセットされたせんべいをバリバリ食べる。すぐに営業職を外され3ヶ月で退職。著者が話しかけると「パパの作った警備保障会社に取締役で転職する」と。

 


・2015年の自殺事件。15年前も同じような自殺事件でニュースにまでなったが、セクハラパワハラが治らない。この2015年の事件も当初は本人のプライベートだと噂を広げるも裁判が降り社会ごととなると、やっとパワハラセクハラの撲滅に動き始めた。

 


・当時のテレビCMや放送枠で通販は低俗なものと考えられていた。ジャパネットたかたは、電機メーカー経由(本誌にはイニシャル公開)で電通に依頼が入る。ラジオの交渉は成功したが、テレビ局はNG。テレビ東京から交渉を開始。生放送を大切にした高田明は生放送を依頼するも、事前に収録を納品、考査チェック完了後に放送と押し返す。高田明は交渉を重ね、半年は録画納品でその後生放送の許可を得る。そこから放送が始まる。そして、朝のワイドショーにスポンサーが取れないテレビ東京は、ジャパネットに通販枠提供と総スポンサーを依頼。ジャパネットは出費は大きかったが、通販番組は成功。高田明の快進撃が始まる。今はどこのテレビ局もBSも通販番組ばかりになったのは、高田明がきっかけとなった。

 


・コネ社員の種類

コンピューターメーカー会長の甥っ子、有名百貨店の広告担当役員の息子、新聞社の役員の息子、テレビ局有名プロデューサーの息子、大手出版社の有名雑誌編集長の息子、衆議院議員の息子。。などなど。内定式、コネ社員から誘われ高級ホテルのスイートルームに美女3人。。

 


・新人研修は大量の予算が投下され、毎日豪華な食事と豪華な研修が行われる。ニュースステーションのプロデューサーが裏話を話す、など。

 


ニュースステーション電通が1年間スポンサー枠を全て買い占めることにより、ゴールデンで初のニュース番組として成功した。電通は提供枠から系列のスポットまで全て電通の独占でスタートさせた。所謂買い切りの始まりだと言われている。

 


・営業は優秀なスタッフをかかえ、常に仕事を提供してお金を融通し信頼を得ること。営業はスタッフに目的と戦略を定めてゴールを設定する。スタッフに対してのびのびと仕事ができる環境を提供する。クライアントの信頼を勝ち取り予算を勝ち取る。自分のチームと目的を共有し自由な発想で仕事ができる環境を提供すること。営業の采配でチームのモチベーションが決まる。

 


電通の基本給は安い。残業代とボーナスが高い。交際費は1日で13万円は当たり前、それが毎日続くこともある。新規顧客を取るための戦略絶対交際費も存在して、年間400万円。社員3人で2万円のステーキを食べてたとか。。戦略クライアントはいない。。

 


Jリーグ開幕当初は博報堂独占だった。電通はサッカー人気を侮っており、客が少ないパリーグみたいなものと思っていた。電通社員は意気消沈しJリーグ博報堂と諦めていた。そこで、著者はユニフォームの胸スポンサーは海外では普通であることを目につけ、サッカーの試合で胸が映る時間を計算して、スポンサー量を作った。海外でスポンサーもしていた飲料C社を説得。協会と仲が悪いヴェルディの親会社読売新聞社(協会は地域密着を重視してチーム名を地域の名前を推奨、読売新聞は反対して、読売ヴェルディとメディアで報じるようになる)を説得して胸スポンサーを獲得。そこから電通の快進撃が始まり博報堂シンパの川渕チェアマンが電通シンパになったとさ。

ちなみにヴェルディ案件は後日談があり、サンパウロFCとの親善試合が組まれブラジルに行くこととなる。期間が1週間しかないか、間に合うと判断し、営業部長やクライアント、媒体担当に報告せず、雑誌のプレイボーイに相談して取材記事600万円で受注。その後、上記3件からもOKをもらい、サンパウロへ出発。当時のヴェルディは武田、三浦カズ、北澤なと人気メンバーがズラリ。キャビンアテンダントと仲良くなり、泊まるホテルも同じと分かり大盛り上がりだったとか。因みに交際費を使い私的な旅行としてメキシコなども旅行して回るのも当時の代理店としては目をつむってもらっていたとか。

 


・競合プレゼン

当初は外資系企業が多く実施していた。上記のように代理店とクライアントの癒着的やり取りをなくし、広告の質を上げるためだ。

当時の競合プレゼンは電通博報堂ADKの3社。某化粧品会社のプレゼン。クリエイティブを変更すると社内でクリエイティブを競合させる。既存と新規のクリエイティブチーム。新規チームは挑戦的で新しい表現をする。その時に出てきた新しい表現は「ボタニカル」。このコンセプトで電通は勝利。

あと通販の損保を拡大したいメーカーは10社コンペを実施。当時有名だった通販の損保は、親指と小指を立てて電話の仕草をするCMだ。通販はADKの牙城で圧倒的に不利な電通であった。電通は「広告投入後のレスポンス情報とメディア購入を連結させる金融通販の最適なメディアバイイングを行うプランニングエンジンを開発した」とでっちあげの提案をした。結果、勝利したのはADKで次点は博報堂、3位が電通。ただ、ADKは辞退した。電話のCMと競合するからメーカー系は受けれないと。。そこで、3位の電通がよく思えてきたということで受注。でっちあげが通ったことにより、電通はレスポンスデータを全てもらい無理やり商品開発した。

 

 

 


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