tigerdriver-91’s blog

東京に来た大阪人がつれづれなるままに書いたブログ

熱くなれ 稲盛和夫 魂の瞬間

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2023年3月に稲盛和夫の本を角川が出すとなると、 絶対外さないと思い読み始めました。

 


正解ですね、 稲盛和夫には定期的に触れた方が良いなと改めて思いました。

 


本は、新卒で入った松風工業のころから始まります。 鹿児島大学を出ても当時はどこも就職先がなく、 頼み込んで入った会社は赤字で給与も遅れる。 ボーナスは大晦日に入る。一気に払えないので分割される。 建物も古く5人の同期は次々と辞めていく。 自分も辞めたいと思っていたが、親は許さない。そんな中、 会社を辞めず、自分ができることを精一杯やることとして、 ファインセラミックのことを理解する、 理解するとさらに良くしようとする、研究する。さらに良くなる。 製品化できるようになる。売れ始める。没頭する。

 


まず、燃やすべきは自分の心。目の前の仕事に夢中になる。

 


稲盛和夫は新入社員で入った会社がどんなに嫌な会社であっても「 会社に入った最初の一年間で、自分の会社を好きになろう、 仕事を好きになろうと努力し、その2点をマスターできたことだ」 とコメントしている。

 

 

 

心の奥底からこうありたいと願い、潜在意識にまで落とし込む。

 

 

 

このファインセラミックに没頭して商品が売れて、 会社から認められて、 これで行こうと決めたのが京セラの始まりである。その後、 社長が連れてきた新しい部長は、 稲盛和夫をセラミックから外す強権ぶりを発揮。 結果的にそうはならなかったが、仕事の現場は悪化。 もっとファインセラミックを世に広めたいことから、 同志と一緒に京セラを立ち上げる。

 

 

 

これと決めたら、成功するまであきらめない。

 

 

 

 


稲盛和夫の働きっぷりは、朝から晩まで働き、 会社の寮は使わなくなり会社に泊まって仕事に没頭した。 圧倒的業務量から成功する商品ができる。情熱を徹底的に注ぐ、 何事にも真剣に取り組む。

 


小さい頃は親が借金をしていたこともあり、 京セラを作って出資を募って始めたのだが、最初は利益が出ない。 周りは無理をしてお金を出している。従業員もいる。 責任の重さを感じた。

 

 

 

高収益を目指すのは、支えてくれる人と従業員のため

 


部下が情熱で燃え上がるまで、自分のエネルギーを注ぎ込む

 


強い信頼関係でベクトルを合わせる。

 


部下に会社の経営や業績を自分ごとにさせる。

 

 

 

稲盛和夫は社員と常に本気で向き合い、 間違ったことは本気で叱った。大きな声で叱る。 それだけ本気だからだ。

一体感も非常に大切にした。 松風工業では皆んな服装はバラバラだったので、 京セラでは作業着を統一した。 社員も社長も皆んな心を一つにするという強い意志を持ってのこと だ。

皆んな同じラジオ体操をする、トイレ掃除も当番制、 運動会は真剣そのもので、応援合戦は3ヶ月前からする。

嫌がる社員もいたが、運動会をやり切ると一体感が生まれる。 それを徹底させたかった。

そして、経営に関しても社員に当事者意識を持たせるため、 現状の負債を包み隠さず話した。経常利益を上げていても、 負債の利子だけで払う額は大きく、 負債を払うためには高収益が必要と説いた。そして、 全社員が幸せになるために高収益であること、 それがあるから社長も幸せであることを説いた。 経営12ヶ条の1番目に、それを説いている。

 

 

 

経営12ヶ条

1.事業の目的、意義を明確にする

2.具体的な目標を立てる

3.強烈な願望を心に抱く

4.誰にも負けない努力をする

5.売上を最大限に伸ばし、経費を最小限に抑える

6.値決めは経営

7.経営は強い意志で決める

8.燃える闘魂

9.勇気を持って事にあたる

10.常に創造的な仕事をする

11.思いやりの心で誠実に

12.常に明るく前向きに、夢と希望を抱いて素直な心で

 

 

 

判断基準は、人として何が正しいか

 

 

 

KDDI発足にあたっての社内報に書いたこととして「 新会社がスタートした以上、 私たちはKDDIの社員として価値観を共有していかなくてはなり ません。それは最も普遍的な「人間として何が正しいのか」 という価値観をベースとして、自分の部署、 自分の出身母体にとって、「何が良いのか」というのではなく「 KDDIにとって何が正しいのか」という判断価値を持ち、 毎日の業務を遂行していくということです」

価値観の共有がいかに大切か、 人としての判断が1番大切とのこと。

 

 

 

 

 

 

力で治めず、徳で治める

 


自分に与えられた財産は、社会から預かったもの

 

 

 

 


稲盛和夫は自利他利であり、自分が儲けるだけでなく、 相手も儲けること。なので、 ソ連に自社工場のノウハウを伝える時も、 ソフトに関しては高く契約をした。 そして工場を作るときのノウハウ共有で鹿児島工場にソ連を呼んだ 時は、徹底的にノウハウを伝えた。 共産主義ではどんなに頑張っても給料は同じなので、 京セラのように朝から晩まで働いで、自分たちのため、 会社のため、社会のためという発想がなかった。そして、 ソ連の工場に立ち会った時、 京セラのようなラジオ体操や仕事に関してガムシャラに向き合う、 徹底することがソ連工場でも刷り込まれていた。 ソ連工場立ち上げの時は、 ソ連政府から感謝されるスピーチがあり、 同席した大手商社からソ連がこんなスピーチをするのは見たこと聞 いたことがないと言われた。 稲盛和夫が工場ローンチに同席したことも「 ボスがわざわざ来ると」ソ連人が感動して、 工場にいた工員の女性たちが、 全員花束を持って涙ながらに感謝の意を伝えた。 みんなを喜ばすために利益を戻す考え方である。

 

 

 

 


謙虚にして驕らず、才能を私物化しない

 

 

 

 


JAL再建には、日本経済の再建、 残された社員の雇用を守ること、 飛行機を利用する人の便宜をはかること( 一社だと値段が高止まりになる、競争が生まれない)。 この三つの大義を理解することから始めた。 80歳の高齢で給与なしで東京ホテル住まいで夜ご飯はおにぎり。 JALの社員は何も関係ない稲盛和夫の働きを見て、 社員がそれ以上に頑張らないといけないと奮起し、 3年で会社が復活した。想いというのは伝わるということ。

「 君らのそれぞれの担当の部門はプロフェッショナルかもしれない。 でも、経営はそれを求めているんじゃなくて、 君らが集まって会社をどうしてよくするか。 執行役は執行分野をしっかりやらないかん。でも、 それだけやない。それをやってる人が集まって、 みんなで良い会社にするかを考える。」 一つの部門のことをみんなで話し合う。ある役員が、 部門の事情を赤裸々に話す。全員で真剣に考えるのが京セラ。 議論やコンパ「お酒を飲み交わす」を行って良くしていく。 社長じゃなく、役員がそれをやるのが経営。

 

 

 

得たものは秘さずに

すべて惜しまず伝える

 

 

 

本田宗一郎の話を聞きに有馬温泉に行った。本田宗一郎は「 だいたいこういう温泉につかって、 浴衣を着て胡座をかいて話を聞こうなんて、何を考えているんだ。 とっとと帰れ。私はうちの従業員で働きの悪いやつ、 出来の悪い奴はスパナでも何でも投げつけたりしてます。『 お前なんで働くのか』と聞くと『お金が欲しいのだ』と言う。 お金が欲しかったら人の何十倍も働く。『悔しかったら、 俺と同じくらいの給料が欲しかったら、 俺と同じくらい働いてみろ』と。なんでお金が欲しいのだ、 遊びたいからか。私の遊びは豪快で、 毎晩のように芸者を総揚げします」

あえてそのように言ってモチベートしていたのだと。 ある種の鬼才、大変関心しました。

本田さんに最初に会った時には「 この人よりもっと素晴らしい生き方をすれば、 会社をもっと発展できるかもしれない」 と盛和塾では伝えています。 自分よりも格段に上の人と付き合うこと。

 

 

 

本誌は稲盛和夫が新卒の会社から京セラ立ち上げ、KDDIJALの再建などダイジェスト版になっていますが、 それぞれに関わっていた人物のコメントも見れる良書です、 ハッキリ言って絶対読むべきですね。

 

 

 

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