
戦略講座から4時間の講義部分を書き起こし、書籍化した本書。
【戦略の捉え方についての30分】
・戦略策定における思考の集中
複数のフレームワークや要素を混ぜると、思考力が分散してしまう。
必要な項目を「目的」と「資源」に絞ることで、思考の集中力を高め、効果的な戦略立案が可能となる。
戦略を変更する必要があるのは、社内外の変化が「目的」と「資源」に影響を与えるときに限る。他者を追随するより自分たちの「目的」と「資源」に集中する
【戦略の作り方についての120分】
1.目的を明示する
目的を明示しないと不明確な状態で適切な課題が見えてこない。目的をみんなで共有しSMAGを使う。(具体性、測定可能、論理的に実現可能、一貫性)。熱中してすぐに解決しようとせず、まずは目的を明確にするコト。
この活動があるか?ないか?で世の中にどのような変化があるかを考える。
ターゲット消費者やベネフィットを明示する。
指示した人に直接確認する。
SWOTは作業に過ぎない場合がある。
2.目的を再解釈する
目的を達成した未来描写を行い、戦略の候補案をつくり出す。そのとき「目標は達成されましたか?」と過去形で問う。
目的の再描写で描写する単位が変わる。売上から顧客数や使用頻度など、単位が変わると目的が具体的に理解できる。
バッファを持って計画を立てる。
候補案を用意して、最終的な戦略に落とし込む。
OATを活用する
3,資源を探索する
桶狭間の戦略
①今川軍2-4万を殲滅する
②今川軍の戦力が消耗し、士気が喪失する
③今川軍の武将を調略し、戦略を削減する
④駿河で騒動を起こす
⑤義元の首を取る
上記で⑤を採用すると、弓の射程である50メートル、騎馬突撃の場所、捕獲可能な戦況を見極めるコト。沓掛城、大高城、成海城の連絡を断つ配置にしたことで信長の城は陥落する。義元に隙をみせ、義元が慢心して効率的な桶狭間に陣を引いてしまった。その隙を信長は逃さなかった。⑤作戦の成功であり、どの戦略を取るかがまず重要となる。3,000の兵でも勝てる戦略が必要。
リプトンのティーパックが三角なのは茶葉がよく動き、味や香りが際立つから。封筒型のようにホチキスがないと電子レンジでも使える。水1/3と牛乳2/3で電子レンジでチンするとロイヤルミルクティーになり、奥様に喜ばれる結果に(プロモーションは家に帰って旦那に入れてもらって嬉しいものはロイヤルミルクティー)
1752年にベンジャミン・フランクリンが凧揚げ実験で雷が静電気であるとわかると「神の怒りに対するお祈り」から「通電性の高いものを体から離す」に思考バイアスが変わった。
勝つ側は資源が多い。時間、経験、知識、ブランド力も資源として捉える。特にヒトはすべての資源に影響を与える。
広告会社、メディア、取引先などの外部の協力者も資源と考える。競合との同調も資源として活かすコトで、市場全体の成長を促すことができる場合がある。
資源量は大きい小さいでなく目的や状況に応じた再定義が必要。
バイアスのかかりにくい自由な視点を持つ人材がいれば、大いに意見を聞く。そうした人材がいなければ、自分でバイアスをかけることで、無意識のバイアスから脱出を試みる。
4.資源優勢を確立する
目的の再定義案と投下可能な資源を天秤にかけ、資源資源優勢である再解釈案を選ぶ。選択肢は3-5個程度に絞っておく。
固有資源の利用は理想的だが、やみくもにこだわらず、資源優勢を確立できる選択が優先される。
ジャイアントキリングも、資源優勢を探すことで可能になる。固有資源の使い方が重要で、資源優勢が確立できなければ、目的を変更するか、資源を増強する必要がある。
5.文章に書く
①「いつ」までに
②「収益目標」を達成するために
③「再解釈した目的」を実現するべく/を目指し
④「活用すべき優勢な資源」に集中・注力する
テンプレートに従って記述することで、戦略の叩き台を作ることができるが、最終的な文章化には、立案者の思考が不可欠である?
6.組織に展開する
①役割を与える
②人事評価に組み込む
③参加する
戦略の実行を自分ごと化することが不可欠。
【戦略に関わる6つのポイントについての60分】
・成功しやすい
①成功確率があがる
資源優勢を確立するため、場当たり的な活動よりも成功しやすい
②目的のより良い達成
目的の超過達成や、資源の節約が可能になる
③良い失敗から学ぶ
一部の資源を温存した上で、失敗から得た経験を次に活かす
④成功の再現性が高まる
仕組みが理解できることで成功の再現が可能になる
・意思決定が安定する
⑤意識的に理解する
暗黙知を形式知化し、集団で知識を共有し、知的資源を強化できる
⑥パニックを防ぐ
明確な行動指針が示されることで、パニックを回避しやすくなる
⑦自損事故を防ぐ
準備不足や連携ミスを防ぎ、自損事故のリスクを減らす
⑧意思決定を助ける
難しい取捨選択を合理的に進めて、感情的な判断を避けられる
・組織運営が安定する
⑨目的の共有がしやすくなる
戦略が明示されることで、チーム全体で目的を共有しやすくなる
⑩摩擦を減らす
組織内の摩擦を軽減し、意思疎通を円滑にする
11権限譲渡を助ける
戦略に合意すれば、現場は自律的に対応でき、管理者は細部に介入せずに済む
・マンシュタインのマトリックス
良い実行、悪い実行、良い戦略、悪い戦略の四象限を作ったとき、悪い戦略で良い実行をすることが一番悪と考える。間違った方向で実行するので後戻りできない。
・選択と集中の重要性
(ランチェスター戦略)資源を分散すると投下できる資源が減少する。
選択が多いと理性で安心する。生理的に「集中」を苦手とし、合理的でない生理現象は理性で対応する。
・ダブルパンチ症候群
右100kg左50kgのパンチ力があっても、両手でパンチしても150kgにならない。腰が入ったパンチを打っていないからだ。一つに集中すること。
・全砲門一斉開放症候群
ドラマチックであるが一気に資源を使い切ることになるので、よっぽどのことがない限りやらない方が良い。
・強さとは、投下できる資源の総量である
・優秀さとは、資源交換の効率の高さである。時間内に多くのことができる。効率よく仕事を対応することができる。
・後天的に優秀になるためには、視点を増やすことが一助になる
・思考能力は身体技術である。鍛えれば鍛えるほどモノになる。練習しないと、できるようにならない。
【成長と経験値についての30分】
・成長とは何か
昨日できなかったことが、明日できるようになる。新しい手段に加えて経験から得た知識が成長の鍵になる。
・組織の経験値の共有
共通言語を確立し、定期的な振り返りを行うことが重要で、経験を共有することで組織と個人の成長が加速される。
・一次体験と二次体験
直接的な体験(一次)に加え、他者の事例や歴史から学ぶ(二次)ことで、成長の知識が広がる。
平安時代の弓の名手、那須与一は現代で活躍できるか?二次情報を入れるとオリンピックにも出れる。
・働きかけ方、仕組み
成功事例や経験から、時代に即した「道具」「働きかけ方」だけでなく、普遍的な「本質」「仕組み」を理解することもできる。前者は特定の技術や活動に必要だが、個別固有では応用しにくい。後者は抽象的だけど、普遍的で応用がきく。
・振り返りの重要性
・形なきものの形、声なきものの声を聞く
目に見えるものだけを追いかけるのではなく、目的や仕組みに焦点を当てて思考し、行動することがより深い理解をもたらす。
【重要なポイント】
・目的と資源
・目的の再解釈
・資源優勢
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