
ユニクロは柳井さんのカリスマ性によるトップダウンのイメージがあるが、特定の人に頼らない仕組みを作って、事業を回す。それがユニクロ最大の強みであり、柳井さんが長年かけて取り組んできたこと。
リーダーの本質は「ビジョンをつくる」ことと「仕組みをつくる」こと。ビジョンは1割、仕組みは9割のウェイト。リーダーシップをばっきするのが苦手でも仕組みを作れば問題ない。
ユニクロ仕組み化のスローガン
・グローバルワン
・全員経営
柳井さん語録
「山口県宇部市から世界的なファッション企業が出ると誰が思ったか。誰も想像できないことを僕ができたのだから、あなたもできる」
→仕組み化には社員一人ひとりの自律性が必須
働き者2割、怠け者2割は放置して、残りの6割の人材をどうやって自律性を上げて働いてもらうかの仕組み化が重要。
仕組みは保とうとするのではなく、常にアップデートすること。イノベーションのジレンマ(成功するとそれに頼り延長線上のことしかしなくなる)に陥らず常に変えることを意識する。
・経営理念は経営陣を除けば多くの人にとって少し遠い存在。日常の業務に落とし込み「自分ごと化」するのは難しい
→全て仕組み化で変えれる、現場との架け橋は「原理原則」
・働いている人が仕事で悩んだり、壁にぶち当たったりしたらいつでも立ち戻れるバイブルが「原理原則」
→ユニクロでは300ページの原理原則があり、「商売の原理原則」「お客様の原理原則」「売り場の原理原則」「仕事の原理原則」「チームで働く原理原則」「リーダーの原理原則」「商品経営の原理原則」「店舗経営の原理原則」「人事の原理原則」など多岐にわたる。
→原理原則は具体的なオペレーションを示したマニュアルではない、マニュアルには「what」とそれをどう実践するかの「how」しか書かれていない。「why」の答えが一切ない。マニュアル人間はユニクロに必要ない。全てはお客様のためにという視点で考える
・店舗経営の原理原則
店は客のためにあり、店員とともに栄え、店主とともに滅ぶ。
常にお客様を見よ、柳井正を見るな、上司を見るな、全身全霊でお客様のことを知れ、真剣に社会と向き合え。
1.きれいな売り場にします。
2.広告商品の品切れを防止します
3.30日以内は返品・交換します
・商品経営の原理原則
お客さまに尽くし、お客さまに愛されろ、そのためには手を抜くな
自分たちで商品を更新し続ける
・教育の原理原則
1.現場と一緒になって、現場の課題解決に資する
2.「全員経営」の考え方に基づいて、ひとりひとりが経営者マインドを持った人を育成する
3.グローバルでよい取り組みの事例を共有して、グローバルで首尾一貫した高品質の教育を実践する
・前始末をせよ
ユニクロ独自の言葉で、原理原則を語る前にちゃんと準備をしろ、という意味。「準備をしろ」より「前始末をしろ」の方が言葉にインパクトがあるからだ
・管理職は部下の自律性を育てること。自律性を勘違いして任せれば大丈夫は良くない
・教育連鎖
部長は1人で原理原則を作るよりも課長と一緒に作ると課長も理解して部下へのアナウンスが容易になる
・16時退社
ユニクロ本部は7-16時が勤務時間。柳井さんも16時には帰る。自己研鑽をしろ、という意味で16時台に帰るかどうかをモニタリングし、帰っていない人は柳井さんから指摘がはいる。決まった時間で効率よく仕事を行うことが義務
・変革する力
1.目標を高く持つ
2.常識を疑う。常識にとらわれない
3.基準を高く持ち、妥協とあきらめをしないで追求する
4,リスクを恐れず実行し、失敗したらまた立ち向かう
5.厳しく要求し、核心をついた質問をする
6.自問自答する
7.上を目指して学び続ける
・100%全人格をかけて部下と向き合う
→柳井正は1000人以上いる店長と全員会いたいと言い、30人に分けて30回以上面談をした。一人ひとり全力で向き合うことにより、仕事からプライベートまでいろんな話が出た。意識が変わったり泣き出す店長もいた。それにより2010年代のブラック企業といわれたユニクロは変わる。店長の離職率は半分になり、店長だけでなく店員にも経営の意識を持たせることにした。パート社員数万人も全て地方限定社員とした。
・個人の成長を促す仕組み
新人は店舗に配属され(今は必ずしもそうでない)本人次第で次の配属場所が決まる。上司と話して店舗がマーケかDXか。。話し合いながら決めていく。
・次世代のリーダを育成する仕組み
柳井正は「自分がいなくてもユニクロが成長する仕組み」を欲している。
1.志をベースにした3年間の試練が与えられる。全ての社員は自分が立てた志をもとにして各自のキャリアプランを進めているが、このイニシアティブの対象者は、この志とキャリアプランについて経営者レベルを交えて討議し、承認された後、特別な3年間のストレッチした経験機会が付与される
2.対象者個々に役員クラスのメンターが指名され、3年間の育成にコミットし、責任を負う。メンターはキャリアプランの構築、その実践で成果を上げるための相談相手という重要な役割を果たす。また、成果が上がらない場合には、いったん外れることをアドバイスする
3.3ヶ月に一度セッションを実施する柳井社長をはじめとした経営者との直接対話や、現場・現物・現実でのビジネスの深い理解、自らがリーダーとなる組織横断イニシアティブの柳井社長への提案・討議などである。
上記に抜擢されても、一定の割合で入れ替えが行われる。常に全力で上記プログラムに当たってもらう。
・3倍の法則
「経営者になるためのノート」(市販されている)には「変革する力」「儲ける力」「チームを作る力」「理想を追求する力」の4つが書かれているが、「変革する力」に目標達成がある。それは現場の目標が達成できそうなら次はさらに3倍の目標を掲げて達成することを求められる。今までのやり方では到達できないので、全く新しいやり方を考えることが常に習慣化されている。
【ユニクロ成長】
1984年 ヘルプ ユアセルフ
在庫を山ほど置いて、自分で好きなものを好きなだけ選べる。店員は声をかけず必要な時だけサポートする。
2000年 SPA化
自分たちで服を作ることを広げた。(元々は作っていた、小売業から製造小売業への本格展開)
2001年 フリース
大ヒット商品
2005年 SOHO
ニューヨークSOHOに「ユニクロってオシャレなのかも」と思える店舗で勝負。佐藤可士和を中心にクリエイター集団の結集店舗
2007年中国進出
2009年GUブランド
2016年究極の個人経営
・人を育てたくなる仕組み
マネージャークラスは30%、役員クラスは50%が「どれだけ人を育てたか」が、評価基準。自分の後継者をしっかり育てているかどうかが、評価の基準になっている。
・部下の信頼を得る
部下は大半はよく知らない、から。上司からの自己開示が必要。それは部下に必要な情報の開示であり、自分が何者であるか、何を目標にしているかを知ってもらうことから行う。どんな思いでこの会社に入ったかは知られないもの。話し合うことでエモーショナルなことも話が出てくるもの
・敗者復活の仕組み
1人の役員が食品事業をやりたいと言い全員が反対した。柳井さんがあまりにしつこいから「やってみろ」とスタートして8億円の特損。役員は辞表を出そうとしたが、柳井さんが辞めようと思っても、まずは損の分を取り返さないと。その役員は降格した。そして、GUのコンセプトを大きく刷新し「YOUR FREEDOM 自分を新しくする自由を」というコンセプトを根付かせて、ユニクロとは別のブランドを確立した。GU社長の柚木治のことだ。
ユニクロは失敗しても責めない文化、むしろ何もしない方が良くない。
・自分のポジションに固執する人の対応
2年限定で昇格して新しいことにチャレンジしてもらう、だめなら今のポジションに戻る。多くの人がチャレンジした。
・PDCAは週次で回す
・意思決定のスピードを最重視する
・即断、即決、即実行
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