tigerdriver-91’s blog

東京に来た大阪人がつれづれなるままに書いたブログ

連携の取れていない買収は往々にしてある実体験 その3

昨日の続きを書きます。が、昨日の記事を見ないと何のことか分からないので、是非昨日の記事を見ていただけるとありがたいです。

 

今日も引き続き、最初の3行で脱落する内容で書いたこと、無視して下さい。

 

さて、私が入社して配属されたのは、ADKインタラクティブの営業部。部署は営業ですが、実際の業務はwebプランナーです。ADKの営業が取ってきた仕事に対してプランを戻す仕事です。

 

上記を見て、はてな?と思った人がいますよね。そうなんです、上記の流れで考えるとADKインタラクティブという法人を作る必要はなく、ADKにデジタルの部署を立ち上げれば事足りる話です。ところが、それをしなかったのは、専門部隊であることもありますが、利益をADKインタラクティブに還元する仕組みがあるから、でした。媒体マージンは通常の15%から20%なのですが、売上の5%をADKインタラクティブに還元する仕組みをとっていました。

なのでADK本体としては、子会社に何故か売上の5%を支払う仕組みをとっており、それがもう一つの株主であるDACに流れる仕組みになっていました。

この条件をADK本体が飲まざるを得なかったのは、相当デジタルで出遅れた、と判断したからでした。

 

それで、結果はどうかというと、思ったように成果が出ない。DACから見ると、博報堂はかなり大きなデジタルの仕事を流すが、ADKからデジタルの仕事はあまりこない。DACも部署を分けているのですが、1-3部は博報堂、4部がADK、5部から7部は他の総合代理店やサイバーエージェントやオプトやセプテーニなどのweb専門の広告代理店でした。(ADKは5部の担当だったかも、4部は他の代理店だったような)

DACから見たら、博報堂ADKの売り上げは3倍以上開いていました。DACADKインタラクティブで利益が取れるから、ということで出資を決めましたが、博報堂との関係はどんどん強化され、博報堂もどんどん出資額を増やす。ADKは出資を増やせず、結果、DACの株を博報堂が51%以上持つことになります。

ADKも2009年に電通のデジタル広告運用代理店に出資、今のDAサーチアンドリンク社ですね。

なので、私が入った2010年にはDAC系のデジタル広告運用代理店であるレリバンシープラスを使わずに仕事しよう、内緒で、みたいな事をやるようになっていました。2011年4月、初めてADKインタラクティブの新卒を2名採用しました。4月1日の入社式には、社長より「新卒の募集も開始、既に1,000人以上来ています」とみんなが奮起するないようが告げられました。よしやるぞ、と思った数日後に、社長が会社不在となる。そして、4月末にADKインタラクティブは解散会社となる、と告知を受けます。

シビアな世界だなぁと本当に思いました。その後、ADK電通とタッグを組むこととなります。電通とともに、ADKデジタルコミュニケーションズを設立。DACから出向できていた20名ほどか帰任、cciからの出向者が二人、三人とくる。電通docomoで出資しているモバイル広告メディアレップ、D2C社からも人が来る、DAサーチアンドリングの人も堂々と来れるようになる。

一方、DACはインターネット広告代理店のアイラップと関係強化し、ラリバンジープラスをアイレップに吸収。現在はともに博報堂傘下となる。

実はDACと取引している時からアイラップとは仕事をしており、その担当役員とも一緒に仕事をしていました。もう、ぐちゃぐちゃですね。そんなカオスが懐かしいです。因みにその担当役員は、現在社長です。

こんな感じで、デジタル関連の買収は相当激しかったですね。ADKも実は株主がいてイギリスの広告代理店WPPグループの傘下だったんですね。1998年に旭通信社資本提携し、その後ADKを作ったのだから、コレも仰天ですね。2017年にWPPと決別したのは有名な話なので割愛します。

 

自分のキャリアではもう一つ、買収の話があるのですが、それは最近の話なので、問題がなさそうなタイミングで、いつかまた語りたいと思います。

 

このシリーズは今日でおしまい!