ずいぶん前の話ですが、テレビ番組の制作に関わってきました。その時に聞こえてきた情報として、テレビ番組のゴールデン枠、19時から22時までの放送時間の一回60分番組を作るのに3000万円かかるみたいです。詳細は以下リンクにまとめてます。
http://tigerdriver-91.hatenablog.com/entry/2008/05/19/000000
結構古い情報なので、今はもう少しタレントの費用やロケハンなど安くなっていると思いますが、番組一本作るのにこれだけの費用がかかるのは事実としてあります。
ボクも仕事として、ゴールデンに関わってきた時は、成果を出したら少しお金を頂いてましたが、深夜枠は半分以下の予算でやっていましたので、お付き合いでタダで受けていたこともあります。
昔は結構タダで仕事を受けて、関係性を作る、という事を結構やってまして、お金は頂けないですが、豪華な食事に連れて行っていただくこともありました。羽振りの良いプロデューサーでしたら、西麻布のお店とかタクシーで連れて行って頂けます。一度だけですが^_^
総合演出以下はお金ないですね。局員ではない限り。
局員でしたらディレクターでもお金は持ってましたね。一般的な年齢の年収より持ってた印象です。
上記は全てバラエティの話で報道やドキュメンタリー、ドラマのことは全くわからないです。僕は完全にバラエティ班です。
バラエティ番組は以下のようなヒエラルキーです。
プロデューサー P
アシスタントプロデューサー AP
総合演出
ディレクター D
チーフアシスタントディレクター チーフAD
アシスタントディレクター AD
まず、役割としてプロデューサーは全体の責任者であり予算管理をしている人。
アシスタントプロデューサーは主にタレントのアサインが中心で、番組の制作に直接関わることの無い役職です。ベテランの制作担当だったり年齢高めの女性がこのポジションですね。プロデューサーのような責任のある立場では無いけど、自由に意見ができるオイシイ役職です。この業界の経験が長い人がなる傾向があり、ある意味閑職でもあります。
総合演出は番組制作の責任者です。予算管理をするプロデューサーとコーナー責任者のディレクターとのパイプ役でもあります。三つのコーナーで作られている番組がある場合、3人のディレクターがそれぞれコーナーを作り、全体のバランスを見て、最終的に番組を仕上げる仕事でもあります。総合演出はチーフADと組み、コーナーの出来具合を確認し、修正箇所や補足情報などをディレクターに指示。その雑務が発生すれば、チーフADに指示をして対応します。最終的な番組編集の責任も負うため、編集の総仕上げは毎回自分の手で作り上げる大変な役職です。
ディレクターはコーナーの責任者です。主にADと放送作家と3人一組になってコーナーを作り上げます。とはいえ、コーナーのネタを最初から考えるのではなく、ネタ会議でコーナーの内容が決まってから、このネタはこのディレクターに、という感じで割り振られます。ディレクターは割り振られたコーナーに対し、放送作家があげてきた構成を元にコーナーを作り上げます。
チーフADとADは主に雑務。ロケハンからネタ探し、撮影許可取りや専門家へのヒアリングなど何でもやります。放送日は決まっているため、どんな事をしても間に合わさないといけない。なので、朝から晩まで働き詰めなのがADの役割。ADは万能でないといけないので、何年働いても能力のないADは逆にディレクターにして若くて優秀なADをつけるパターンもあります。優秀なADはチーフADとなり総合演出と一緒に番組全体を見渡し、ディレクターになるが、コーナーも主要なコーナーを任されることが多い。総合演出はコーナーでも誰に何を任せるか一任されているので、そうなりますよね。
あと、放送作家の役割は、コーナーを決めるネタ作りとディレクターの参謀としてコーナーの構成を全て作る人です。放送作家はコーナーのネタをいかに取るか、これがポイントです。新人は良いネタを書けないので、番組にかかわるためADの仕事も手伝って食い繋ぐ人もいます。
働き方改革で、今は上記のようなことはできないかもしれないですが、当時は放送作家と総合演出が何度もネタを検討して良いものを作り上げたり、プロデューサーが作家やリサーチ会社に100ほどノックをしていたのが懐かしい。時間をかければかけるほど、良いものが仕上がります。今は時間がかけられないので、タレントパワー頼りの番組が増えました。新たな企画はなかなか生まれないですが、限られた時間の中で、新しいものを生み出そうとしているテレビマンを陰ながら応援したいと思います。あー久々に会議に出たいなぁ
